昔から「梅はその日の難逃れ」といわれるほど、病気の予防や健康増進に欠かせない食べ物でした。
実は日本に伝えられたのは奈良時代だといわれています。
また、現存しているなかで最も古い歌集である万葉集には、梅を素材に詠まれた歌が多く存在します。
梅の栽培は日本の気候に合っているため、暑い沖縄を除いて全国で栽培されており、
旬の5~6月頃になると、梅干しや梅酒、梅シロップなどを保存食として作る「梅仕事」に精を出す家庭も多いのではないでしょうか。
今回は、古くから親しまれてきたこの「梅」について紹介していきます。
それでは、梅に含まれる栄養素からみていきましょう。
〇うめに含まれる栄養素
◆クエン酸
梅の大きな特徴である「酸味」の主成分は、有機酸によるものです。
梅の主な有機酸はクエン酸であり、次いでリンゴ酸、シュウ酸が多く、少量の酒石酸、乳酸、酢酸、コハク酸も含んでいます。
まだ熟していない青梅にはリンゴ酸が多く、熟していくに従ってクエン酸が大部分を占めるようになります。
このクエン酸は、エネルギー代謝を高めて疲労を回復する効果があるだけではなく、強い殺菌作用もあります。
お弁当やおにぎりに梅干しを入れるのも納得ですね。
また、体に吸収されにくいミネラルを水に溶けやすい形に変えて吸収しやすくするキレート作用や、その他にもクエン酸の酸味は唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させる効果もあります。
暑くなるこれからの季節にピッタリの食材ですね♪
◆ビタミンE
梅にはビタミンEが含まれており、その量はリンゴの約33倍といわれています。
このビタミンEは脂溶性ビタミンのひとつで、ホルモンバランスを整え、血管の老化を防いでくれます。
また血液の流れをスムーズにする働きもあるので冷え性を改善する効果も期待できます。
◆カリウム
細胞の浸透圧を保つ働きをするこのカリウムは、腎臓でのナトリウム再吸収を抑制し、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果が期待できます。
◆鉄
梅には、不足すると動悸や頭痛、めまいといった症状が現れる鉄も多く含まれています。
鉄不足は体に現れる症状だけではなくイライラやうつなどの心の不調の原因にもなるとも言われており、
女性は特に鉄が欠乏しやすいので積極的に摂ることをおすすめします。
◆アミグダリン
梅やあんず、ももなど、バラ科の果実の種子や未熟な果実に含まれるアミグダリン。
この成分は酵素によって分解されると、毒性のある青酸化合物となり、
梅に含まれているのはわずかですが、多量に食べると健康被害を生じる場合があります。
アミグダリンは、果実の成熟あるいは塩や砂糖、お酒に漬け込んだり、加熱したりすることによってそのほとんどが消失し、加工した後は問題なく食べられるようになるので、
生の果実や、種子などをそのまま食べないようにしましょう。
特に青梅の仁(種の中身)に多く含まれるため、警鐘を鳴らす意味で
「梅食うとも核(さね)食うな、中に天神寝てござる」
ということわざも伝わっています。
〇手作り梅干しと市販の梅干しの違い
梅干しは使用されている大量の塩、またクエン酸による殺菌効果から、保存状態が良ければ100年以上保存出来るといわれています。
しかし近年、減塩調味を施した「調味梅干し」と呼ばれるものが一般的になってきました。
市販されている、昆布梅、鰹梅、はちみつ梅などは、この調味梅干に分類されます。
これらの保存性はそれほど高くないので注意が必要です。記載してある賞味期限を確認して食べましょう。
〇保存法
梅は収穫後も追熟が進むため、購入後はなるべく早く加工することがポイントです。
また、冷蔵庫に入れると低温障害を起こし、茶色く変色する場合があります。
加工するまでは新聞紙などに包み涼しいところに置いておきましょう。
また、すぐに加工出来ない場合は冷凍保存しましょう。
5月下旬から6月下旬にかけて見かけることが多くなるこの梅の実。
酸っぱい梅干しが一般的ですが、ハチミツ漬けや梅シロップ、梅ジャム、蜜煮など甘い糖分との相性も抜群です。
今年の夏も厳しい暑さが予想されていますが、梅の力を借りて乗り切りましょう♪
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【発行者】 マネージメントクッキング Terra
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