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きのこの基礎知識

きのこの種類は、日本だけでも4,000種類以上あるといわれていますが、
実際に食用とされているのは約120種類のみ。

秋は、きのこ狩で山へ入る人も多いかと思いますが、見た目が似ているキノコも沢山あるので、
食用になるかどうかの見極めは、よくよく気を付ける必要があります。

さて日本食品標準成分表には、生鮮きのこ類として12種類のキノコの成分値が示されています。
生だと水分が90%ではありますが、細胞壁を構築しているものが植物性セルロースではなく、
キチンという炭水化物ーアミン複合体で、キノコはタンパク質とビタミンB12が他の野菜よりかなり多く含まれています。

またビタミンDの母体となるエルゴステリンの含有量が多く、各種の酵素を多く含んでいるので、
その働きが大きく変化するのが特徴です。

うまみ成分としては、グルタミン酸ナトリウム、ロイシン、アラニンなどのアミノ酸に加え、
トレハロース、グアニル酸といったところでしょうか。

天日干しや冷凍することで、その成分は激変するのですが、
流通においても乾物、缶詰、瓶詰といった加工品が多いのはこういった理由です。

ある意味の植物と異なる点は、
菌類はクロロフィルを持たないため太陽の光を捕捉することができません。
なので、他の生物に頼っていきているのですが、その手段は様々です。

ヨーロッパでは主役となる、マッシュルームは草食動物とともに進化してきたと言われています。
栽培という点では、中国では13世紀から、コナラ(オーク)などの丸太を使って椎茸栽培が行われ、
フランスでは17世紀からマッシュルームの栽培がはじまり、ナポレオン時代にはパリ近郊の洞窟で
ホワイトマッシュルームの栽培が盛んに行われていました。

ところで、きのこの平均的な栄養素を振り返ってみましょう。

◆ミネラルが豊富

きのこにはカリウム・亜鉛・ナトリウム・マグネシウム・リンなど様々なミネラルがバランスよく含まれているのですが、
ミネラルは体内で作ることができないので、積極的に摂取したいものです。

◆葉酸が豊富

貧血気味の人には、ぜひ摂取して頂きたいのがキノコ。
鉄分ばかり摂っていてもなかなか貧血は解消されず、葉酸不足となっているのですが、キノコは葉酸も豊富なのです。
葉酸と鉄は細胞の生成・造血作用に何れも関わる働きがあり、葉酸は赤血球を作る際にも必要な成分で1日の所要量が日本では200μg必要とされています。

葉酸の成分は、DNAを構成するにあたり必要な一つで細胞の成長につながるため必要不可欠な栄養素です。

◆ β-グルカン

抗腫瘍効果があると言われているβ-グルカンは、免疫細胞の活性化を通じて現れるものなので、
ガン細胞を直接攻撃するような薬用成分があるわけではありません。

キノコに含まれているβーグルカンにガンと戦う力のナチュラルキラー細胞(NK細胞)やTリンパ球を活性化する働きがあり、
結果的にガンに良いということなのです。

つまり免疫力を上げてくれる働きがある、ということなのです。

◆ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収を助けてくれるので、すすんで摂って欲しい栄養素なのですが、なかなか摂取できないのが現在の食事です。

特に、干ししいたけなどの日干し乾燥している食材はビタミンDを多く含んでいて、
「しいたけ」などに含まれるエルゴステリンという物質が太陽光に当てるとビタミンDに変化するためです。

ビタミンDはカルシウムの吸収に必須なビタミンで、骨の強化に重要な役割を担っています。

さて、「干ししいたけ」はビタミンDがアップされると言われているのはご存知な方が多いと思いますが、
干し野菜や干しキノコは乾燥されることで栄養価が格段にアップします。

例としてシイタケは乾燥するとどのくらいアップするのか?

  タンパク質…6倍
  カリウム…7倍
  カルシウム…3倍
  ビタミンB1…5倍
  ビタミンB2…7倍
  食物繊維…11倍
  ビタミンD…9倍

凄いですよね!

実は、天日干しではなく冷凍しても同じように栄養素が爆発的にアップします。
理由は、キノコの細胞にある水分が凍ることで体積が膨張し、細胞膜が破れて細胞が死ぬことで、
旨味成分のもとがたくさんできるからです。

もともと生のキノコには旨味成分がほとんどありません。加熱することでキノコの細胞が死んでしまうと、キノコの細胞に含まれているRNAという核酸が、同じく細胞に含まれているヌクレアーゼという酵素によって分解されて旨味成分に変わります。
細胞にはさまざまな酵素があるのですが、生きている細胞の中の酵素は勝手に働かないのです。
しかし細胞が死んだ時点で酵素が活動を始めるんです。

海の中に生えている昆布の旨味が海中に出てしまわないのは、同じ理由で生きているからです。

冷凍したキノコを煮ると、すぐに旨味をつくる酵素が働きだします。
生のキノコを加熱する場合には、加熱の途中で細胞が徐々に死んでいくからあまり旨味が増えないのですが、
冷凍したものを加熱する場合は、すでに冷凍した時点で細胞にダメージを与えているわけですから、全体が一斉に旨味をつくりだすのです。。
だから冷凍したキノコは、生のキノコに比べて旨味成分が多いのです♪

ただし・・・

キノコには、せっかくできた旨味を分解してしまう酵素もあります。
干しシイタケを長い時間戻しすぎると、旨味がすっかり消えてしまうことがあるかと思いますが、
あれは別の酵素の働き。

この旨味成分を分解する酵素は温度が50~70度くらいになると、失活といって、ほとんど働かなくなるのです。
これはデンプンを糖質に変化させる、お米(ご飯)や枝豆なども同じ理由です。
それに対して旨味をつくる酵素のほうは、90~100度近くまで活性が続いていきます。

つまり、加熱していくと旨味を分解する酵素のほうが先に失活するので、70度を超え始めると、
旨味をつくる酵素はまだ生き延びているから、そこで旨味が増えます。
ということで、生のキノコというのは、ゆっくり熱を加えた方がより旨味が増します。
いきなり100度近いお湯に入れたり、一気に加熱したりしても旨味が増えにくいので注意してください。

ということもあるので、天日干し、冷凍した方がキノコの美味しさを存分に楽しめるのです。

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【発行者】 マネージメントクッキング Terra

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